ラララ言えるかな

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47都道府県って世間話の種として面白いですよね。大学でいろんな県出身者と知り合うと仲良くなり始めの探りの話題はだいたい地元トークが鉄板でした。とくにネットは出身地が本当にバラバラなので大学以上にバラエティに富んだ各々の地元話がみられる気がします。
私の故郷富山県は中途半端にマイナーなのでどこにあるのかわからんと言われること数知れず。そもそも知らないレベルから石川と間違えてるよくあるパターンまで。全国的に知られているのがだいたい食いもん(海産物と米と酒)なので、そういうのが好きな人はちゃんと知っててくれてるのかもしれません。自分がよその県で生まれていたら間違いなく一生訪れることはなかったと断言できる。

都道府県の場所については実は自信があって、小学校の社会科のI先生が「日本人なら全都道府県の場所と県庁所在地を知っておかなければならない」主義者で、授業のカリキュラムとはまったく関係なく全員合格するまで何度も白地図クイズを出され続けました。なかなかにスパルタでした。今も覚えてるのか試してみましょう。

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愛媛と徳島が逆ゥー。島根と鳥取も正直勘。西日本に行くことが全然ないので、大阪以西は全部ちょっと自信なかった。九州は何で合ってたのかわからん。まあでも覚えてるもんだ。ありがとうI先生。
県庁所在地も一応小学校卒業できたってことは先生のテストで一度は満点取ったはずなんですけど、ほとんどうろ覚えでした。むしろ半分くらいしか思い出せないかと思ってたのでかなり頑張った。やはり先生の教育の賜物か。
実際、これらを知っててなんか得することあったかっていうと特にないんですけど。旅行しないし、出張もないし。日本史とか現代社会のテストで役に立ったのかもしれないですけど、都道府県が分かったからって点数につながるような問題あったかな。まあ、その程度です。そのかわり、私自身が幾度となく経験した「富山ってどこ?」と言われた時の何とも言えない気持ちを他の誰かに与えずに済む、それだけでも価値があるんじゃないでしょうか。愛媛と徳島の人はすみません。

四畳半偶像大系

人の恋路を邪魔するものはアルパカに蹴られて死んでしまう運命にあるというので、私は大学の寥寥たる北の果てにあるアルパカ小屋には近づかないようにしていた。なぜ私がアルパカを恐れたかと言えば、私は知らない人も知っているほどに悪名高い恋ノ邪魔者であったからである。
そんな私も大学に入る直前には、ひょっとするとあるかもしれない同性との薔薇色の交際に向けて軽い武者震いをしたこともあった。それがいつしかアイドルなどと言う偶像崇拝をほう助する俗物へと成り果てた。私がこのような冒涜の隘路へ踏み出したのは、宿敵であり唾棄すべき盟友でもあるひとりの女の手引きによるものであった。
高坂穂乃果は私と同学年である。工学部で電子工学科に所属するにもかかわらず、電子も電気も工学も嫌いである。成績は驚くべき低空飛行であり、果たして大学に在籍している意味があるのかと危ぶまれた。しかし本人はどこ吹く風であった。
実家は和菓子屋を営んでいて揚げ饅頭ばかり食べているからか、常夏の蜜柑のような髪色をしていて甚だ不気味だ。夜道で出会えば、十人中八人が妖怪と間違う。残り二人は妖怪である。もし奴に出会わなければ、私の魂はもっと清らかであっただろう。
それを思うにつけ、二回生の春、「アイドル研究部」へ足を踏み入れたことがそもそも間違いであったと言わざるを得ない。

その日、教養棟を悠然と歩く私の鼻先に突如妖怪が現れた。よく見ると妖怪ではなく高坂である。この女は神出鬼没でその名を学内に知られており、同時に四つの講義に出席していたとか、一日に三回すれ違うと死ぬとか、本体は饅頭だとかいった怪談がまことしやかに囁かれている。
「アイドルやりましょう」
奴はうへへと笑いながら私に顔を近づけた。
「藪から棒に何を馬鹿な」
スタコラ歩き去らんとする私の耳に悪魔の甘言が飛び込んできた。
「南さんもやりますよ」
私はアイドル研究部員となった。

南さんは私や高坂と同学年である。文学部英文学科に所属し勉学に励む傍ら、手芸部でもその手腕を遺憾なく発揮する才色兼備の美女であり、さらに学長の愛娘でもある。可憐で楚々とした佇まいは、十人中八人が女神と間違う。残り二人は美を解さない妖怪である。
名目上アイドル研究部員の殻をかぶった私は、南さん研究部員としての活動に余念が無かった。精力的な研究の結果、南さんが文学部英文学科及び手芸部及びアイドル研究部に所属する可憐で楚々とした才色兼備の美女であることがわかった。その他の情報は目下調査中である。
アイドル研究部は、恐るべきことに高坂が発起人となって立ち上げた新造のサークルであった。当然部室も予算もなければ、当局の承認もない。どこぞのアイドルを信奉するカルトのような胡散臭い活動かと思っていたが、なんと自らアイドルになることが目的だと言う。私はこの女についてきたことを心底後悔しかけたが、南さんが視界に入ってきた瞬間そのような些末な煩悶は消えうせた。
高坂は南さんの手芸部での実績を見込んで、衣装製作担当として彼女を魔窟へと引き込んだものらしい。なぜ彼女ほどの傑物が悪鬼の誘惑に乗ってしまったのか、私は理解に苦しんだ。
「南さんは幼馴染なんですよ」
妖怪は戯言を吐いた。我々は高坂の実家である和菓子屋の二階、奴の私室に集結していた。
「また出鱈目を」
「いえ、本当です」
何故だか猛然と私も南さんの幼馴染であるような気してきた。そうすると必然的に高坂も幼馴染であることになってしまうがそれは無視した。

アイドル研究部の部員が我々三人のみであることは特段驚くに値しない。妖怪の怪しげな誘いなど乗っていはいけない。しかし、南さんはアイドル研の活動に積極的であった。何やら「お母さん」とか「定員」とか「新入生」とかいう話を高坂としていたが、その時私は南さんのまつ毛を凝視するのに忙しく、良く聞いていなかった。
「ライブをしましょう」
かくして我々の最初の目標は講堂でのライブ敢行となった。

元プロ受験生

センター試験も終わったみたいなので受験の話でもしましょう。前もしたっけ?ええやん。なにせ自分受験の(元)プロなんで。(元)プロゆえこの時期は毎年いっちょモノ申したろみたいな気分になるんですけどいい加減やめたいのでこれで最後にします。する。

「地頭」とかいう言葉があって、たぶんこれが高校までの勉強の得意不得意を指すんですけど、それでいくと自分は地頭は良いのかもしれません。受験においてその差は偏差値にやっぱり多少は出てきますよね。とはいえ一般人の地頭の良さなんてたかが知れてて、結局受験の結果だけ見るなら勉強時間どれだけかっていう勝負なんですよ。自分一日10時間やったもん。そりゃ受かるっつーの。騙されたと思ってやってみ。マーチ程度なら誰でも受かるって。落ちても知らんけど。結局地頭が良いかどうかなんてのはごく一部の化け物とごく一部の馬鹿以外にはそこまで関係なくて、Time to winなんすよ。だから学生の頃なんかは偏差値の低い人を頭が悪いとは全く思わなかったですけど、勉強せず遊んでるんだなとは思ってました。ただまあ実際問題10時間やれって言われても簡単ではなくって、それも勉強の向き不向きと言えばそうなのかもしれない。自分はなんでやれたかって言うと、進学校で周りみんな勉強してたからなんか一緒に勉強してたらすごいことなったみたいな感じなんですけど、そうやってふわーっと大学に入った結果、学歴が何の役にも立たない人生になったわけです。旧帝国っていうクソカッコイイ響きだけだよ、勉強しててよかったって思うの。

私は頭は悪いです。地頭じゃなくもっとこう広い意味では。まず「学校の成績が良い≠頭が良い」のはなんとなく共通認識かと思います。少なくとも「好きな作家の母校をとりあえず第一志望に書いて変えるのが面倒だからそのままにしてたら受験することになった」とか「何学部に行きたいのかわからんから模試でA判定だったとこに願書出した」とか「学歴を全く生かすことなく手取り14万に甘んじている」とかいうのは頭が良いとは絶対に言えない。私ですけど。受験が成功したからって人生が成功するわけじゃないし、逆もまたしかり。何をもって人生の成功とするかは置いときますけど、受験で測れる能力じゃないことだけは確かです。でも受験が成功すれば武器が一個増えるのも確かで、そういうつもりで頑張るなら全然意味はある。あるいは、勉強したいことがあってそれに基づいて大学に進むとか、そういうのをちゃんと考えてたらたとえF欄でも素晴らしいことだと思うし、私なんかよりずっと頭が良い人ですよ。頭が良いとかいう胡乱な言い方がアレなら、少なくとも私なんかよりずっと人間レベルが高いですよ。

こういう後悔を永遠に引きずっているわけなんですけど、たとえ気付きを得た今のまま高校生に戻ってやり直しても、きっとどうにもならないんだろうなという気はします。なんでかわかんないけど、自分にはそういう能力はない。人生の要所要所で低きに流れ易きに流れる人間だということが28年にわたる観察からわかりました。なので毎年毎年あぁ~って思ってます。せっかく人より多少優れてる部分があったのに、ちゃんと活かしてあげられなかったのはまことに遺憾であります。教師になったり、塾講師になったりする選択肢もあったはずなのに、そうはなっていない。なぜならボンクラだから。来年からはあぁ~って思わずに済むようにここで全部書き捨てます。

 

バーチャル世界に金を投げる

最近ね、流行りのね、バーチャルユーチューバ―ね。
結構前にキズナアイさんの動画観てあまりにゲームが下手で不覚にもイライラしちゃってそれ以降興味なかったけど、のじゃロリ出てきて観たらめっちゃ面白かった(面白いという形容でいいのか悩む)。意外といけるんではと思って他の子たちも観てみた。結果的に俺は電脳少女シロさん一択。
キズナアイさんは他と比べてもクオリティ高いと思う。お金かかってる感じする。表情の豊かさが群を抜いてる。登録者数的にも圧倒的王者。先駆けだしね。ただ、俺はああいうタイプ(どういう)の子ってあんまり好きくなくて、ゲームの下手さでもう駄目だった。俺も下手だけど、そういう種類の下手じゃない。脳みそが足りてない感じの。それも一般的には萌えポイントなんだろけど。
ミライアカリさんはあんまり観てないけど、オタク受けが一番良さそう。エロい。そういう方面でウケ取ってるのがちょっと無理。服装もエロいでしょなにあれ。おっぱい隠しなさい。エゴサしまくってオタクにも頻繁に絡んでるらしい。姫力(チカラ)が高い。一回の生放送でオタクの献金が27万円とかいうぼろい商売。
超新星爆発輝夜月さん。ほんとすごい。よくわかんねえけどなんかすごい。「首絞めハム太郎」って言われてるけどハム太郎のアニメ観たことないのでピンとこない。省略して首絞め公になってて中世の気が狂った貴族っぽい。「ストロングゼロの擬人化」とも言われているけども、俺はお酒飲めないので輝夜さんもちょっときつかった。うるせえ。一日3分くらいなら観れる。おっぱい隠せ。
バーチャルのじゃロリ狐娘ユーチューバ―おじさん(以下おじさん)。唯一無二。説明不要。一番異質っぽいけど異常者だらけのバーチャルユーチューバー界で一番まともに見える。ていうか言ってることはほんとうにしっかりしていて、逆にちょっと身につまされるというか観るのがつらくなってきた。おじさんっていうけど20代でしょ。シュッとしたメガネのオタクっぽい。俺じゃん。がんばってほしい。
電脳少女YouTuberシロさん。「シロイルカ」「軍用イルカ」「戦闘用AI」「サイコパス」などの異名を持つ。かわいい。好き。よく見たらかなり際どい格好してて冬服ずっと着てほしいんだけど、動画で背中側映る事はあんまりないのでまあ許せる。界隈では特にゲームが上手い。PUBGとか今の動画ではまだ慣れてない風だけどちょっと練習したら絶対俺より強い。フラッシュグレネードスモークグレネードに1ミリも動揺せず敵を倒したシーンは必見。名言は「おほ~~」「いーねっ」「エンヤコラー」「ここは初めて人をKILLしたので聖地と呼びたい」「順番に殴るね」など。その言動から物騒な呼び名が付いちゃってるけど、別にサイコパスってほどではないと思う。ちょっと戦うのがすきなだけで。他のお歴々がぶっ飛び過ぎてるので対抗して意図的にサイコパス路線に振ってる節がある。動画の端々に高い知性を窺わせているのも魅力。こういうので中の人について言うのは無粋なのでAIの性能ってことにしとくけど、絶対頭いい。ちょっとした言葉の選び方とか、語学力とか。あの発音の良さは勉強じゃ身につかないと思うけど一体何者なんだ。お料理できる家庭的な面もあるらしいけどお料理動画はまだ観てないのでわかんない。サムネ見たら生肉をミキサーとか書い、えっ、やっぱサイコパスか?
今バーチャルユーチューバー全体がブーストかかってて、みんなものすごい勢いで認知されていってるけど、一過性の熱が冷めたときにどのくらい残るのかはまだわからないと思う。新しいコンテンツ形態として広がっていくのか、一部の人気者だけになるのか。VRとも色々絡んでて新しいコミュニケーションの形、みたいなことも言ってるけど、個人的にはVR全く興味ないのでよくわからん。

それよりも、サービスや商品じゃなくて一個人(人じゃないけど)に対して投げ銭するっていうお金の動き方が今後でかくなってくと勝手に思っていて、そのほうがなんかすごいことなんじゃないかなあという気がする。バーチャルユーチューバー観始めて思ったのは、配信に使うモノ(ゲームの内容とか)自体はあんまり重視してなくて、ひと(ひとじゃないけど)そのものが観る対象になってるみたいなのが印象的で。ミライアカリの生放送27万円がすごいって言われてたけど、こういうのが普通になってくるんじゃないか。YouTuberは生配信より動画が多いからあんまりないのかな。Twitchの配信見るようになって驚いたんだけど、好きな配信者に配信中お金を投げれるチアーっていう機能があって、普通にバンバン金が飛んでる。何千円何万円もたまにあってビビった。海外じゃチップなんて日常なので日本人の俺がが慣れてないだけなんだと思うけど、これってオタクから金を巻き上げる(言い方)のにめちゃくちゃ向いてると思う。伝聞によるとオタクは崇めるのが好きな生物らしいので。ガチャだって期待値考えたら実質寄付みたいなもんでしょ。特に最近は某けものアニメがビジネス理論の犠牲になった様子を見るにオタクはそういうのを憎悪してそうだし、(実際はもちろんバーチャルユーチューバーの後ろにも企業がいるんだけど)そういうビジネス臭さの薄いマネタイズの仕方として投げ銭が可能性秘めてるんじゃないかなと思った。

(本稿は仕事納めを待たずやる気がなくなった業務中コソコソ書きました)

2017

少し早いですが今年の総括をします。
去年の最後に掲げた2017年の抱負は「無病息災」と書いてあって、振り返れば概ね達成したと言ってよいのでは。やるやん。2016年が受難の年だったこともあり、それに比べればだいぶマシな一年に見える。すると今度は嫌なことが減った分良いことの少なさが目に付き始めてきて業が深いというかなんというか。

家計簿を眺めているときに急に「よし今年をまとめるか」と思い立ったのでこれを書き始めた。今年は割とうまくやりくりできたのではないか。毎月初めに貯金目標を決めてるんだけど、12ヶ月中7ヶ月が目標達成(今月は見込)、3ヶ月が達成率90%以上、赤字になったのは6万円のベース(ほぼ未使用)を衝動買いした七月のみ。良いお嫁さんになれると思う。もし万が一何かの手違いで結婚することになったら、家計簿を印刷して見せて家計管理は俺にまかせろ!と言いたい。婚約破棄一直線。
勘違いしないでほしいが、出納を1円単位でギチギチ管理しているからと言って、守銭奴とかドケチとかではない。削れる出費はまだかなり多い。単に暇なだけ。この底辺収入で手取りの35%も貯めたんだから褒めろや。褒めて。これも全部来年車を買うときに吹っ飛ぶかと思うと虚無しかない。

一月頃に「今年は映画を観るぞ」などと宣言した記憶があるんだけど、終わってみれば16本観た。ここ数年では一番の多さ(ボジョレー感)。『最後のジェダイ』を観に行きたいので17になるかも。予定ではこの3倍は観るつもりだったんだけど。別に映画を観たから偉いわけでもないが、せめてもの文化的生活と言うか、まあ。一番良かったのはスターウォーズのスピンオフ映画『ローグ・ワン』。シリーズの大ファンというわけでもないがエピソード4から全部楽しく観ている身としては、今までとは一味違ったスターウォーズ世界を見せてもらった。脇役にもそれぞれ生き様があって主役の陰で頑張ってるんだよみたいな話に弱い。Netflixでバンバン映画観るぞ~なんて思っていたが、16本のうち半分だけ。タイトルだけ見て直感で選ぶと外れ映画だったこともしばしばあり、今月いっぱいで解約を検討している。アマゾンプライムに乗り換えてもいいかもしれない。加入している人は感想を教えてほしい。

イベント的には良く言えば平和な、悪く言えば無味無臭なパッとしない一年に終わった。特筆すべきものは六月のラジオ公開録音、七月および九月のライブの計3件(全部南條愛乃)のみ。近場の友人知人(1人2人)との交信は数ヶ月に1回。その結果、家族及び職場の人間を除くと「今年会った回数ランキング」で南條愛乃さんが堂々第3位(3回)に躍り出ることとなった。もはや親友と言っていい。ライブを会った回数にカウントしていいのか。もう少しアクティブになるべきなのではと思わなくもないが、これといって興味を持てるものがなく、敢えてなにかしようという気力が湧かない。ひとりで没頭できる「何か」があれば別に家から一歩も出なくても充実した日々は送れると思うんだけど、そういう「何か」が全くないのが問題で、なにやっても暇つぶしにしかならない。そこをどうにかしたいとずっと思っているんだけど、ないもんはないから仕方ない。自分の好き嫌いを自分で操作なんてできない。
そこで来年どうするかという話で、ためしに「他人と知り合う」ことを目標にしてみようかと思う。正直キツい。2018年中に1回あればクリアということにする。家にいても自分が何をやりたいか見つからないので、仕方なく他力本願でいってみる。10代の頃は今と違って何故かぼけーっとしてても友達ができて、友達がいれば何かしらイベントが発生したので、そういう中で何かみつかることに期待したい。書いててげっそりしてきた。本当は誰とも関わりたくない。

仕事を辞めた

よく誤解されるが、実際にペンギンそのものに触れたことはほぼない。搬送されてくるペンギンの個体は専用の袋でパッケージングされているからだ。一定間隔で袋を開けて検品することになっていて、そこで初めて袋の中身が確かに生きたペンギンであることを確認できる。俺の仕事は、届いた袋をそのままペンギンを蒸す機械に運び、制御盤で指定の操作を行い、トラブルやエラーがないことを見届ける。それだけだ。蒸されたペンギンの取扱いはまた別の作業員の仕事で、その内容は俺の知るところではない。
世間ではペンギンの命をむやみに奪う非情かつ冷酷な仕事だと思われているが、このように管理された業務のおかげで、生命を扱っているという意識は希薄だった。確かに可哀相かもしれないが、それは食肉用の家畜だって同じことだし、ペンギンだけを特別扱いする理由はない。蒸されたペンギンもきっと何らかの形で社会の役に立っているに違いない。そう思っていた。どのように役に立っているのかは知らなかったが。

あの日、ペンギン入りの袋を右から左へ受け流す単調なリズムが、初めて乱れた。
検品の為に袋の口をあけたとき、中のペンギンが勢いよく飛び出してきたのだ。今まで何百と蒸してきたペンギンたちは、いずれも袋の中でおとなしくじっとしていたので、俺は驚いた。今思えば、全てのペンギンが一様に無抵抗なのも不自然だったが、それを気にしたことはなかった。
一応、こういった場合の対応マニュアルもあったが、今までこんなことは起きなかったので、もたついてしまった。マニュアルを思い出し区画の封鎖ボタンを押そうと手を伸ばしたとき、
「やめろ!」
と鋭い制止の声が響いた。ひとつの区画に作業員は1名のはずだ。あたりを見渡しても人影はない。
「話を聞いてくれ」
にわかには信じがたかったが、声の主は今しがた袋から出てきたペンギンだった。予想だにしなかった事態に思考が追い付かず固まっている俺に、ペンギンは落ち着いた低い声で語りかけてきたのだった。
彼によれば、ペンギンという生き物は彼のみならず皆が言葉を解し話すことができるらしい。人間はペンギンを人類文明への脅威として捉えているため、増えすぎないように蒸しているんだと彼は言った。
「じゃあ、何故君たちは文句も言わず大人しく蒸されているんだ?」
「家族を人質にとられているんだ。もし拒めば一族全員が蒸されてしまうから逃げられない」
ペンギンなのに人質とはどういうことか。この異様な場面でそれが妙に可笑しく感じられた。このペンギンの彼は他のペンギンと間違えてここに送られてきたのだという。彼自身は身寄りがなく、逃げ出しても犠牲になる家族はいない。だから脱走を試みた。
「なあ、頼む。俺を助けてくれ」

俺は彼を逃がすことにした。もしかしたら、彼の語ったことは全部でたらめだったかもしれない。ペンギンを減らしたいならわざわざ蒸す必要はないし、家族を人質にするなんて面倒なことをしなくてもいい。だいたい、ペンギンが喋れたからといって、どう人類を脅かすと言うのだろう。あるいは、普通のペンギンは当然会話などできるはずもなく、あの一羽だけが特別だったのかもしれない。いずれにせよ、俺は何も知らなかった。ペンギンのことも、自分がしている仕事のことも。確かなことは、言葉を話すペンギンがいたということ、彼が俺に助けを求めたということだけだった。
彼を逃がして間もなく、俺はペンギンを蒸す仕事を辞めた。

つまんない話

先日『Call of Duty WWⅡ』というPS4のゲームを買ったんですが、1週間で売ってしまいました。新作なので高く売れてよかったです。差額は2回位映画館へ行ったんだと思えばまあ損でもないということにしました。ノルマンディー上陸作戦から始まる打倒ナチスキャンペーンモードは割と面白かったです。
FPSは『オーバーウォッチ』以外やったことがないんですが、PUBGがおもしろかったので、もっとバンバン銃を撃てるゲームをやろうと思って買いました。CoDは有名だしちょうど新作が出たところだったので勢いで買ったんですが、対人で死ぬほど死んでまっっっったく面白くなかったです。売ったので確認できませんが最終スコアはキルレシオ0.2ぐらいだと思います。一応Botでも練習してたんですが、Bot相手も全然勝てないし楽しくないしこれは向いてないなと思いました。もしかしたら上手い人達も最初はこんなもんだったのかもしれませんが、そこを堪えて練習しようという気持ちにならない時点でやっぱ向いてない。その点オーバーウォッチは、クイックに限ればぼくのような下手くそでも楽しく勝ったり負けたりできて良いゲームだったなと今さらながら思いました。アシストもキル数に入ってるからですけど。売っちゃったけどめっちゃまたやりたくなってきた。オーバーウォッチから逃げるな。

ただ、CoDにしろオバウォにしろ自分の下手さに萎えてやめたみたいになってますが、PVEメインの『Destiny2』もストーリーを終わらせてから20時間くらいやって飽きちゃったので、やっぱりもうゲーム自体無理なんだろうなと思います。オフラインゲームはここ5年くらい何やっても全クリできた覚えがないし。『FF14』しかねえよもう。14ちゃんはある程度技術があるからストレスがないだけで、フレンドが誰もログインしてない状態じゃやっぱり面白くないんですけど。そのフレンドは数人しかいないんすけど。

PUBGの良かった点のひとつは、1試合長くても20分か30分程度で終わるので長時間やる必要がないところです。CoDもそれに期待して買ったんですが。オーバーウォッチはそのへんも非常に優秀でした。やっぱりやりたい。でもまたクイックじゃ物足りなくなってランクマッチに行って、自分の実力のなさに萎えるんでしょうね。素の素質も低いんでしょうけど、対人ゲーはどうしても楽しむために練習と習熟が必要で、良いゲームだと思っててもそこまでの熱意は湧いてこない。やっぱゲーム向いてねえわ。
昨今のソシャゲブームはこういうガッツリゲームする体力とかまとまった時間がない人に受けたからだ、みたいなのはよく見かける話ですけど、ぼくはガチャにも何の魅力も感じないので、だめです。金もねえし。でも今までゲームしかしていなかったから、何をして余暇を過ごせばいいのかわからない。だって外に出るのイヤじゃないですか。つまんねえ人間だなお前。

結婚できなくても、仕事で自己実現できなくても、自分の為に楽しいことをして生きればいいと思っていましたが、自分の為にしてやれることが何もないのではと思うようになってきました。なんで買った新作ゲームが合わなくてすぐ売ったくらいでこんな結論に至るんでしょうか。調子悪いみたい。最近はゲームが無理なら読書でもすればいいじゃんと思って、読みたい本をたくさん並べてはいるんですが、読書はゲームよりずっと疲れます。ゲームより楽しいですけど。ゲームですら長時間続かないのに、読書なんか15分ごとに30分休憩が必要になってしまう。1冊読むのに何日かかるねん。休日何をしたらいいかわからないって言ってる人を馬鹿にしてきましたが、自分がそっち側になるとは思いもしませんでした。
こういう話、定期的にしている気がします。
本当につまんねえ人間です、私は。