目にシュッて風があたるやつ

 昔から「手に職」というやつにすごく憧れていた。例えば最近だと御存じの通りちょっと病院のお世話になる機会が多くて飽きるほど検査を受けたんだけれど、というか今日も受けたんだけど、あの検査のひとつひとつにそれ専門のナントカ技師やらナンチャラ士とかいった肩書のひとがいる。その人々が各位の職能を発揮した結果ようやく医師の治療が可能になるのだ。彼らの職能はもちろん、その緻密なリレーを思わせるプロセス自体に対しても、憧れと尊敬を抱いてやまない。シカコこと久保ユリカさんがラブライブ!5thライブ冒頭のあいさつにて述べた、1本のネジから自らが立つステージを支える無数の人々の仕事を想起し感極まったというエピソードは大変有名であるが(有名?)、それに似ているかもしれない。ぼくひとりの治療のために、医師はもとより、看護師、各種技師から、あの無駄にカッコイイ検査器具たちを製造しているメーカーのエンジニアまでもが関わっているのだ。ヤバい。

 憧れるんだけど、そのくせ今現在そういう仕事をしていないのは、ひとえにそういう努力を怠ったからに他ならない。というか多分全く向いていないからこそ憧れを抱いているんだろう。あれもこれもと幅広くやるほうが、確かに向いてはいると思う。軍手はめて草むしりするのも別に嫌じゃないし。
 ここで言う専門職というのは、ある程度の期間訓練と学習を経てようやくスタートラインに立てるような、そういう仕事である。ぼくの場合その「ある程度の期間訓練と学習」に励むだけの熱意というか、それらを目指してよしがんばろうという意欲が致命的に不足している、気がする。専門職のひとたちというのは概ねその仕事に「なりたい」「なろう」と思って必要な教育を修めることができたひとたちであると思うし、その意志を持ったことも貫徹したことも本当に尊敬する。
 中にはそうでもない者もいるかもしれないが、きっかけはどうあれ実際その職に就いている以上学ぶべきものは学び越えるべき試験は越えてきたはずで、きちんとやることやれるひとなんだなと思う。