課金ラインの向こう

 最近読んだ漫画の話します。

『秘密のレプタイルズ』
 Web漫画サイト「裏サンデー」にて連載中の爬虫類漫画。
 裏サンで公開されている1話を読み、「マンガワン」とかいうアプリで続きを読み、面白かったので単行本も買った。極めて理想的なWeb漫画のビジネスモデルに乗せられました。ありがとうございました。
 サラリーマンの主人公が一時の癒しを得るべくフラリと立ち寄ったペットショップで、頭のおかしい爬虫類マニア店員に捕まり爬虫類の魅力に飲み込まれていく話。カエルもいるよ。
 品種や飼い方の解説が詳細で、普通に飼育入門漫画として使えそうでありつつ、ラブコメ?ギャグ漫画としての面白さもしっかりしているという、1粒で2度美味しい感。爬虫類に寄りすぎてしまうと本当にただのハウツー漫画になってしまいそうなところ、いい具合にバランスが取れている。ギャグセンスがネット慣れしてるというか今風で読みやすい。作者自身が爬虫類飼いのひとで実際の知識や経験がそのまま生かされているのも、読みやすさの理由かもしれない。いつか絶対に飼うぞ。
 余談だけど噂によるとこの人元々はエロ漫画描いてたらしくて、ググってみたら普通にめちゃシコでした。ありがとうございました。
 
『堕天作戦』
 上記のように裏サンデー掲載作品はマンガワンというアプリの中でなら全話読むことが出来る。そのアプリ内で適当に暇つぶしに読んでみたら面白かった。面白かったので単行本買った。ビジネスモデル乙。
 魔法を使う魔人と科学を使う人間(旧人)が戦争をしているはるか未来の世界で、失われた超科学文明の遺産である「不死者」がなんかフラフラする話。戦争の道具にされ精神が死んでいたところ、ある出会いをきっかけにこころが生き返り、どうやって生きていこうかと考えながら輪切りにされたり粉々にされたりする。主人公の「不死者」以外にも主役級のキャラクターが複数おり、それぞれの視点でそれぞれの物語が進む。
 「人魔の対立」も「不死者」も昨今ありふれた題材であるけれども、世界観がユニークで非凡なものを感じる。設定厨歓喜。一読しただけでは何が何やらという感じだが、話の中で徐々に明らかにされていく作りがうまい(まだほとんどわからん)。「堕天作戦」というタイトルの意味が明かされるシーン好き。ファンタジーものかと思いきや読み進めていくとド定番のSFの香りがしてくる。全体的にグロくて暗くて重い。不死ゆえに天然ボケ入ってる主人公がかます不死ギャグ(ギャグではない)が一抹の清涼剤。


 どうでもいい話します。

 裏サンデーと言えばアニメ化もした『モブサイコ100』等を代表作とする大手漫画サイトで、割と初期から読んだり読まなかったりしてた。一時は掲載作全部チェックしてたんだけど、飽きちゃって今はモブサイコとケンガンアシュラだけ楽しみ。
 裏サンは対抗馬の「となりのヤングジャンプ」と違って初期数話と最新話しか読めなくて「読みたい?じゃあ本買ってね」という姑息な効果的な手法を採ってるんだけど、実際ぼくみたいに買ってる人間がいる以上ビジネスとして成立はしているんだろう。一応アプリ内で全話無料なんだけど、ソシャゲのスタミナ的概念が導入されてて上手いなーと思った。「1話読むのに1消費、無くなったら回復するまで待つか課金」みたいな。それで1回読んだ話も後から再度読むときはまたスタミナ消費するので、実質無料とはいえ読みづらく、面白いなら買ってしまえとなる。買った。

 無料で読めるのに敢えて単行本を買う。別に変な事じゃないんだけど、改めて考えると自分の中で「これはお金出してでも読みたい(ほしい)」という一定のラインを持つことは、精神衛生上大事だと思った。ぼくみたいに物事への興味関心が薄いと、ただでさえ空っぽな人生がますます空虚になっていく。アニメなんて録画すればいつでも見れるのにBlue-rayを買う(高い)。ライブでも物販とかぶっちゃけ要らないんだけど一応パンフとか買う(邪魔)。「お金を払ったという事実」「お金を出して買ったモノ」はぼくに語りかけてくる。キミはこれが好きなんだよ、キミが大事にしたいものはこれだよ、と。そうやって自分に呪いをかける。ぼんやり生きていると自分が何を求めているのか、何を好んでいるのかすら見失ってしまうから。