光の人間関係

 テレビドラマ『光のお父さん』如何ですか。観てますか。
 結論から先に言うと、ぼくはドラマ版のほうはあまり好きではないです。

ゲームやろうぜ
 「光のお父さん」とは、ぼくがダラダラ長年続けているMMORPGファイナルファンタジー14」を舞台にした実話をネタにした、あるプレイヤーのブログ企画であります。実の父にFF14をプレゼントし、息子であることを隠してゲーム内でフレンドになり、子ども時代に果たせなかった親子の交流、ゲームを通じて得られた大切なものを描き出す、ハートフルなんちゃら。
 ぼくも、いちヒカセンとしてドラマ化が決まる前から楽しく読んでいたので、ドラマ化はとても嬉しく頼もしいです。オンラインゲームはプレイ人口が増えてナンボなので、ドラマを機に始めてみようという人が増えるのは非常に喜ばしい。ゲーム内では若葉ちゃん(始めたばかりは名前の横に若葉マークがつく)を良く見かけるようになった(体感)ので、多分増えているとは思う。嬉しいですね。ぜひFF14やりましょう。やれ。

ゲームばっかりしてると○○になるぞ
 そもそも、元がオンラインゲームのプレイ日記なので、深夜とはいえ老若男女が視聴するであろうテレビドラマにはあまり向いていない。気がします。なぜなら「(オンライン)ゲーム=ひきこもりキモオタニートの不健全な遊び」というよくわからない偏見があるので。俺はニートじゃないが。キキキモオタでもな、ないだが?
 この「光のお父さん」は、一応主題は親孝行ということになってますが、そういった「オンラインゲームの負のイメージを払拭したい」というコンセプトもヒシヒシと伝わってきます。
 個人的な見解としては、実際のところオンゲのプレイヤーにはちょっと頭のおかしなのが一定数います。そりゃゲームに限らずどこにでもいますが、相対的にやや多いのではないかと思います。たとえば、人間1000人のうち変な奴が10人いるなら、オンゲプレイヤー100人の中には5人いるとか、そういう濃縮(1%→5%)が起きている可能性はあります(数字は仮です)。あるいは、普段は普通でもゲーム内だけ自制がきかなくなる輩もいるかもしれません。であるからして、不当な蔑みは無論良くないとしても、偏見が全くの事実無根でもない、と思ってます。
 一応弁明しとくと、実際2年以上遊んでる体感では、ヤバい奴に出会ったのはほんの数えるほどなので、気にするほどでもないです。出くわしたら石につまづいたようなもんだと思えばよろしい。こわくないよー。たのしいよー。

ドラマも見るか
 ドラマ化にあたって、「オンラインゲームの良さをより万人にわかりやすく描く」ための工夫を色々と感じました。FF14を知らない、興味がない人こそ一番観て欲しいターゲットなのでは。そういう意味では非常に良く考えて上手に作ってると感じます。
 原作ブログでは、マイディーさんは自分のプライベートは多くを明かさず、時々「営業職の経験から~」みたいな感じでチラ見せする程度です(個人のブログなので当たり前ですが)。一方ドラマ版では会社員としての生活に焦点を当てて、現実とゲームでの出来事を並行して描写し、相互に良い意味で影響し合う、という構成になっています。例えば、主人公光生が仕事でへまをして担当を外されそうになったとき、ゲームの中でお父さんが諦めずに強敵に立ち向かう姿を見て奮起する、みたいな話。ベタですけど、短い時間でうまくまとめられてて良かったです。
 だがしかし、最初に書いたように、ぼくはドラマ版、そんなに好きじゃないです。 
 本当は、ゲームパートがメインになってほしかった。ぼくは「マイディー」さんと「インディー」さんが主人公の話、ゲームのプレイログの映像化が観たかったんですよね、たぶん今にして思えば。冷静に考えれば、テレビでそんなのやるわけないってわかるんですけど。
 テレビドラマとしてはあくまで、一人の会社員であり息子である「稲葉光生」と、父である「稲葉博太郎」が主人公なわけです。FF14というゲームは二人の関係性を「ドラマチック」に描くために最も重要な要素ですが、あくまで舞台装置であり、それ以上でも以下でもない。正直、二人の親子関係とか光生の会社の人間関係とかどうでもいいんですけど、そういうのがどんどん展開していきます。

ごめんちゃんと見てなかった
 と、ここまではぼくの言い分ですが、自分で自分に反論を試みます。
 実はドラマ化めざして企画書とか作ってる段階で、脚本家が持ってきた改変だらけの「売れそうな」脚本案を「こんなん光のお父さんちがう!」つってボツにしたことがありました。そのうえで、みんなが納得のドラマ光のお父さんをもっかい作ろうって言って、できたのがこれなんですよ。ぼくは第一印象「え~めっちゃ改変されてるやん~うそやん~」って思って観てたんですけど、知る限り誰も文句なんか言ってない。原作者の太鼓判。あれらは「光のお父さん」を曲げるような改変なんかじゃなかった。ドラマ「光のお父さん」は、ブログ「光のお父さん」を正しく反映している(らしい)のです。ぼくは一体どこに目を付けてたんでしょう。
 ドラマ化する前の最初から、このお話は「稲葉光生と博太郎」の話だったんですね。もちろんブログに本名なんて書いてないので稲葉さんではなく山本とか長谷川とかかもしれませんけど。ぼくは「マイディーが見たいんじゃ、稲葉はどうでもいい」って思いましたが、それは間違いで、マイディー=稲葉であり、画面上にどちらが出ていようと、本質的にそれは同じことなわけです。
 言いたいこと伝わるでしょうか。「マイディー&インディー」が見たい「光生&博太郎」は見たくない、と区別するのは、視野が狭かったんですよね。いや、まあぶっちゃけ生身の人間見るよりゲームのキャラクター見てるほうが楽しいのは譲れませんけど、それは個人の嗜好ってやつで。

人間が関係する
 上の方で書いたように、ぼくも一応「親孝行が主題」だってわかってはいた。マイディー親子の絆云々もああよかったねえイイハナシだねえって言いながら読んでました。が、やっぱどこか軽視していたんでしょう。単なるゲーム日記という見方から動かなかった。
 親孝行っていうのはつまり親子関係であり、要するに人間関係です。光生の会社でのエピソードも、人と人が関係するという主題により厚みを持たせるためのものだった。ドラマではカットされてますが、ゲーム内の仲間たちとの関係も結局はそういうことです。このお話は、オンラインゲームの良さを伝えるものであると同時に、人の繋がりの話なわけです。ぼくはその後者をほとんど見落としていたんですね。親子の絆に共感しづらいのは仕方ないかなと思わなくもないですが、そもそも人間関係に興味が薄いのは、今更どうしようもないとはいえ、あちゃーって感じです。
 自分なりの気づきを得た今でも、ドラマ版があまり好きでないのは変わりません。なぜなら、ぼくは人間関係が描かれる話よりもゲームのプレイログのほうが好きだからです。とはいえ、それはあくまでぼくの趣味であって、良いドラマだと思います。観てね。あわよくばゲームやろうね。

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 いろいろ書きましたが、あくまで個人の感想です。観た人が面白ければそれでよいです。
 ドラマは既に放送始まってるんですが、動画配信サービスNetflixで全話観れます。再放送や地方での放送も予定ありらしいです。詳細はWebで。
 ドラマは観れなくても、ブログは誰でも読めます。かなり長いし、ゲームの知識があったほうが楽しめますが、なくても面白いです。ドラマ化に至るまでの紆余曲折も外伝として読めます。脚本家の案をボツったのもここの話ですね。長いです。面白いです。
 読んでみて少しでもゲームをやってみたいと思ったら、必ずぼくのところへ来なさい。レベル35まで無料で遊べます。製品版は月1500円(パッケージ代別)です。月額課金はハードルが高いと思いますが、それだけの内容はあると思います。
 みんなでゲームするのたのしいよ!